-千年じいさんの大魔法-

ぼくは迷路のまちにいる
道ゆく人にユサユサ手をふって
いたずらしたりへんなことしたり
遠い昔の記憶にあった
ヒトの笑顔が見たくて見たくて

だけどヒトは笑ってくれない
どうやら僕は見えないみたい
誰も気づいてくれないらしい
遠い昔と同じ気持ち

千年じいさんが教えてくれた
僕を助けてくれた子のはなし
妖怪になる前の昔の話
ぼくがワカメだったころ
干からびた僕を背負って
助けようとしてくれたはなし
そのこのなまえはオリーブしまちゃん

優しいワカメになりたいな
誰かの笑い顔をもっとみたいな

千年じいさんは言いました
夜だけみんなに見える姿に
わしの魔法で叶えてあげよう
ただし名前が必要だ
どんな名前がほしいのじゃ

やさしい名前
ステキな名前
僕もみんなにやさしくしたい
みんなと一緒に笑いたい

ぼくもオリーブしまちゃんになりたい

僕は言った
あの子になりたい
やさしくて愛される
あの子になりたい

千年じいさんはいいました
同じ名前はつけられない
そうだわしの一文字をあげよう

わしのほんとの名は千年のオリーヴ
オリーヴしまちゃんと名乗るが良い

千年じいさんの大魔法
《ルッカルッカミッションネバディロブランコ！》

キラキラ星が降ってきて
ヒトとお話しもできるチカラもくれた！

嬉しくて嬉しくて
飛び跳ねてユサユサ揺れた
モジャモジャだって愛おしかった

そうだあの子のまねをしよう
大きな葉っぱを頭につけて
白い両手を付け足して

夜の迷路のまちで、たくさんのヒトを笑顔にしよう

こんばんは
ぼくはゴミじゃないよ
ぼくはワカメの妖怪オリーヴしまちゃん

楽しい夜のまちを案内するよ
みんなを笑顔にしたいんだ。

Fin