「節分」妖怪美術館に逃げてきた鬼を紹介します。
節分と豆と鬼
まずは、節分でまかれた豆を拾い集め食料にする「豆あつめ」。豆をまかれて逃げる鬼もいれば、拾う鬼もいるのです。これは可愛い!
豆まきして、随分経ってから家の隅にあった豆が出てくることがありませんか?続いては、そんな節分の豆が妖怪になった「フクワウチン」。手を見てください、ホコリのようなもを握りしめています。何に使うのでしょうか?
実は「フクワウチン」は「ホコリンスキー」「ポップコーン」という3匹の妖怪トリオの一人。人間が留守の間、ほこりを丸めて「ほこり合戦」をしています。
節分の鬼退治の元となったと言われている「方相氏」をご存知でしょうか?元々は鬼を払う神とされていましたが、ある時から追われる存在の「鬼」とされ、今では妖怪としても知られています。
これぞ鬼!
ここからは、皆さんお待ちかね!? 怖い鬼を紹介しましょう。(怖いのが苦手な方はご注意を!)
まずは金棒を持ってゆったりと岩の上に腰掛けている青鬼。この作品は人間の時代の終わりを待っている鬼をイメージして制作されたそうです。えっ、そんな、怖い......。
続いては、切り落とされて神社に奉納された赤鬼の腕。リアル…。
続きまして、桃太郎が切り落とした鬼の首!ヒェぇぇ〜〜〜〜!!
かわいい鬼たち
すみません、ちょっと怖すぎましたね......。気を取り直して可愛らしい鬼3連発です。こちらは、たまごに鬼の魂が宿った「鬼たまご」。威勢はいいけど、自ら動くことはできない弱い鬼。冷蔵庫にいたら、間違えて食べてしまうかも?
こちらは、鬼や小鬼のなり損ない「妖怪玉小僧」。いたずら好きで好奇心が強い反面、とても臆病で人前に姿をあらわすことはありません。
そして、当館を訪れるちびっ子たちに大人気の「小石鬼」。苔むした小石に宿り、子どもに蹴られると孵り姿を現わします。蹴った子の後をついて家にあがり、床に砂を撒いたり物を隠すなどのいたずらをします。
鬼のお仕事
鬼って、どんな仕事しているのか考えたことありますか?人を襲うだけ?いえいえ、鬼にだって色々なお仕事があるみたいですよ。こちらは、なんとミュージシャン!猫叉と鬼楽器たちで結成したハードロックバンドです。手づくりの移動式ライブハウスで全国ライブツアー中だそうです。夢を追いかけて頑張って!
なんでも運んでくれる「クロオニヤマト」の宅急便だってあります。ニンジンのようなものを先端にぶら下げて奇妙な生き物(これも妖怪でしょうか?)を走らせています。荷物には危険物マークが!よく見ると、荷物に穴があき、中から手と足が出ようとしています!!何を運んでいるのでしょうか、恐ろしいので考えないことにしましょう......。
現代の鬼
ここからは、まさに現代社会を象徴する鬼を紹介します。「遮断鬼」は、携帯電話の電波や会話の意図など、あらゆる" 繋がり"を遮断する、いたずら好きの鬼。なるほど、Web会議中、急に回線が落ちてしまったりするのは、こいつの仕業だったのか!
こちらは生前にゴミのポイ捨てばかりしていた現代人が、「餓鬼」となりゴミの中に閉じこめられています。そのまま放置されたり、ゴミとして捨てられるのが一般的ですが、この餓鬼は運よく空き缶に捨てられたタバコを楽しんでいるそうです。
あなたの中にいる鬼
人の心に憑く鬼もいます。憑かれた者は「〇〇鬼」「鬼〇〇」などと呼ばれ、ある物事に対して精魂を傾ける様になり、何かに取り憑かれたように全集中している人にはこの鬼がいるのかもしれません。
こちらは、人のどうすることもできない怒りや虚無感などの感情を食べて生きている妖怪。気がつくと嫌な気持ちが落ち着いている時は「鬼童丸」のおかげです。見た目はちょっと怖いけど、いてくれると助かりますね。
以上、節分や鬼にまつわる作品を紹介してみました。いかがでしたでしょうか?皆さんの思い浮かべた鬼のイメージと同じでしたか?違いましたか?鬼って、現代にもいるのではないか?そんなイメージ湧いてきましたでしょうか?
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最後に、妖怪美術館の館長で妖怪画家の柳生忠平が描いた鬼をご紹介します!このnoteのアイコンにもなっている「みちしるべぇ」。妖怪美術館のある小豆島の迷路のまちと呼ばれるエリアは、三叉路が60箇所以上もある入り組んだ路地が特徴です。「みちしるべぇ」は、迷路のまちを案内してくれる妖怪です。迷路のまちの中に潜んでいますので、探してみてくださいね!